病めるモル 

2012, 11. 21 (Wed) 01:12


「チモシーハウスは俺の身体の一部さ」と精神的な部分が心配されるモル作さん


モルは基本的には数年生きる。
長く生きてると、病気にも掛かる。
高齢になると代謝や免疫力も落ちてくるので、病気に掛かりやすくなる。
患うと、あっという間に消耗するので、変化に気付けるよう普段からモルの外見や食事や排泄の様子をよく観察する必要がある。

モルが掛かる病気は色々あるけど、どの病気の時もビタミンCの要求量が増えるので、欠乏症が併発しないように気をつける。

★主に偏食が原因の疾患

☆ビタミンC欠乏症
モルの代表的な病気。
モルは、L-グロノラクトンという酸化酵素がなくて、アスコルビン酸(ビタミンC)を生成できないので、食事で摂取する必要がある。
ビタミンCが足りないと、骨や皮膚、被毛に異常が出る。
食欲も落ちて、睡眠障害も起きる。
ビタミンC欠乏症が悪化すると、全身に痛みが出て、足を引きずるようになる。
1日に必要なビタミンCは、生後1ヶ月あたりまでは、0.5mg/100gで、大人になってからは5~20mg/kg、病気の時や妊娠中は30~50mg/kg程度。
ビタミンCは水溶性なので、ある程度は摂りすぎても体外に出るから、過剰摂取にならない程度に多めに与えて予防する。

☆転移性石灰化
カルシウムが多くてリンが少ない食事を摂り続けてると発症して、胃が石灰化して正常に働かなくなる。

☆不正咬合
遺伝の場合もあるけど、繊維質の少ない餌で歯が伸びすぎたり、ビタミンC不足で歯が成長不良になって発症する。
モルには臼歯と切歯があって、まず臼歯が不正咬合になってから、切歯で併発する。
上顎の臼歯が伸びると、頬側の粘膜を傷つけて潰瘍になる。
下顎の臼歯が伸びると、舌を傷つけて潰瘍になる。
その結果、餌が食べにくくなって、食欲が落ちる。
命に関わるので、早めの発見治療が必要。

☆毛球症
長毛種が毛づくろいで毛を大量に飲み込んで消化管で毛玉になる。
餌の繊維質が少なかったり、普段からブラッシングしてないせいで毛玉を大量に飲み込んでると、排泄し切れなくなって、食欲不振や便秘になって段々衰弱する。
最終的には腸閉塞になって死に至る。

★皮膚の疾患と細菌感染

☆潰瘍性肢端皮膚炎
モルの脚はとても華奢で繊細にできてる。
足の裏に肉球がないので、怪我をしやすい。
爪の伸びすぎを放置してたり、不衛生な飼育スペースや固い床、金属製のすのこで飼ってたりすると、怪我した箇所が細菌感染して、潰瘍や腫瘍になる。
酷いと骨髄炎になる。
基本は抗生物質で治すけど、外科的な処置が必要な場合もある。

☆抜毛狂
餌の繊維質が足りなかったり、狭いケージで飼ってたりすると、ストレスで自分の毛を咬んだり、抜いたりするようになる。
その場合は、飼育環境を改善する。

☆ホルモン性脱毛症
妊娠末期や卵巣嚢腫で脱毛症になる事があって、主に脇腹が脱ける。
妊娠末期に発症した場合は、分娩後に治る事が多い。
場合に寄っては、卵巣子宮摘出手術が必要になる。

☆皮膚糸状菌症
顔や背中、脚が螺旋状に発疹して、毛が抜ける。
痒くて引っ掻くので、傷やかさぶたができる。

☆皮下膿瘍
固い餌を食べて口に傷ができると細菌に感染して、首のリンパから膿が出る。

☆リンパ節炎
細菌が原因で発症して、首や腹部のリンパが腫れる。
初期に発見できた場合は、抗生物質で治すけど、発見が遅いと外科的な処置が必要になる。

★皮膚以外の細菌感染

☆サルモネラ感染症
下痢や結膜炎になって、目脂が増える。
妊娠中に発症すると流産になる。
治療が遅れると、敗血症で急死する場合もある。

☆ティザー病
下痢になって食欲が落ちて死亡する場合が多い。

★寄生虫による感染症

☆モルモット蟯虫
盲腸にいる寄生虫で増えすぎると体重が減って栄養失調になる。

☆毛皮ダニ
膣と肛門の会陰部というとこにいる寄生虫で、いてもあんまり問題にならないっぽいけど、発見した場合は殺ダニ治療をする。

☆ヒゼンダニ
モルの身体の外側に寄生してて、増えると毛が抜けたり痒くて引っ掻くようになる。
酷い場合は食欲が落ちて栄養失調になる。

☆コクシジウム
消化器に寄生してて、若い時期にストレスが契機になって発症する。
発症すると下痢になったり身体の成長が遅れたりする。

☆モルモットハジラミ
耳の周囲に寄生して、発症すると毛に白い物が見えて、痒くて引っ掻くようになる。

★呼吸器の疾患

☆鼻炎、気管支炎、肺炎
細菌が原因で、アレルギーやストレスが契機になって発症する。

☆気管支敗血症
細菌が原因で、ストレスや、ビタミンCが不足した時に発症する。
鼻腔の周りが汚れて呼吸困難になって、食欲も落ちる。
悪化すると、内耳炎や中耳炎になる。
伝染するので、発症したら他のモルと別居させる。

☆肺炎球菌症
細菌が原因で発症する。
鼻腔の周りが汚れて呼吸困難になって、食欲も落ちる。
症状が末期になるまで表面化しなくて急死する場合もある。

☆連鎖球菌症
細菌が原因で発症する。
体重が減って、結膜炎になって、リンパ節が膨らんでコブみたいになる。
あと、目脂や鼻水が出て、敗血症で急死する場合もある。
基本は抗生物質で治すけど、外科的な処置が必要な場合もある。

★泌尿器、生殖器の疾患

☆膀胱炎・膀胱結石
高齢のオスが掛かりやすい疾患で、血尿や血便が出たり、膣から出血する。

☆卵巣嚢腫
お腹の中に膿ができて瘤みたいになる。
発症した場合は卵巣子宮摘出手術が必要になる。

☆妊娠中毒、ケトン症
妊娠後期に肥満や餌の変化、遺伝等が原因で発症する。
ケトン症になると、食欲不振や呼吸困難が起きたりおしっこから悪臭が発生して、数日で死に至る。

☆異常分娩
最初の出産が生後7~8ヶ月を超えると、恥骨分離が起きにくくなって難産になる。
あと、肥満や胎児の身体が大き過ぎた場合、胎位異常、陣痛微弱が原因の時もある。
陣痛微弱の場合はオニシトシンで治療して、それ以外の場合は帝王切開する。

★消化器の疾患

☆直腸便秘
肛門括約筋が緩んで袋状になって、そこにうんこが溜まる。
加齢による筋力の衰えが原因と考えられてるけど、高齢のオスが発症しやすい傾向があるらしく、精巣に関係があるのでは、とも言われてる。(未判明)
発症以降、袋は段々大きくなって、蓄積されるうんこの量も増える。
弛緩した部分が大きくなり過ぎると、内部でちんこを巻き込んで悪影響を及ぼす事がある。
そうすると、膀胱炎になったりする。
現実的な治療方法がない(身体が小さすぎて手術が困難)ので、定期的に袋の中のうんこを絞り出す必要がある。
その際、お尻は傷つきやすいので、絞り出せない場合は、綿棒などで丁寧に取り去る。

★腫瘍

☆乳腺腫瘍
良性の繊維腺種と悪性腺癌がある。
リンパ節や消化管、肺に転移する場合があるので、病巣部の組織と局所転移を確認する為に、周辺の腺組織とリンパ節の切開が必要になる。

☆皮膚の腫瘍
モルが掛かる皮膚の腫瘍は、毛包腫、繊維肉腫、皮脂腺種、脂肪腫等で、中でも毛包腫が多いらしい。
毛包腫は身体の外面の脇腹や腿に発症する。
発症した場合は切除が必要。

★対薬物
モルはステロイドには多少、抵抗性があるけど、ヒスタミン系の薬を投与されると、アナフィラキシーでショック死する。
あと、↓の抗生物質を投与すると、腸内細菌のバランスに異常が起きて、体内の毒素が増えて死亡するので、獣医に診せる時は要注意。

リンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、テトラサイクリン系
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モル時計 

2012, 11. 19 (Mon) 01:43


高速で頭を揺らす事により、モルモットが体感している時間を表現する、肉体派アーティストのモル作さん


モルは、とても速い時間の中で生きてる。
生まれた時から目が開いてて、体毛や歯も生えてる。
生後約1時間で歩き始めて、48時間で母乳以外の物も食べられようになる。

基本的には、生後2~3週間は授乳期間で、授乳して母体から身体の成長に必要な成分や抵抗力を高める為に必要な成分を摂取する。
その一方で、食べ物の好みは数日間で概ね決まっちゃって、それ以降はなかなか変えられないそうな。

生後2ヶ月で成熟して、5~8年くらい生きるって言われてる。
実際は、南米の食用モルや全世界で実験動物になってるモルがたくさんいるし、日本だと動物園の触れ合いコーナー絡みで殺処分になったり、学校飼育で早死にしてるモルがたくさんいるから、本当の平均寿命はめちゃめちゃ短いのでは。

モルの年齢を人間の年齢に当てはめると、↓こんな感じらしい。

☆1ヶ月 ⇒4歳
☆2ヶ月 ⇒8歳
☆3ヶ月 ⇒12歳
☆6ヶ月 ⇒20歳
☆1年 ⇒28歳
☆2年 ⇒36歳
☆3年 ⇒44歳
☆4年 ⇒52歳
☆5年 ⇒60歳
☆6年 ⇒68歳
☆7年 ⇒76歳
☆8年 ⇒84歳
☆9年 ⇒92歳
☆10年 ⇒100歳

若干、どんぶり臭いけど…

そういえば、心拍数と時間の流れる早さには、ある程度の比例関係があるみたい。
すなわち、心拍数の多い(速い)動物が少ない(遅い)動物を見ると、ゆっくり動いてるように見えて、逆に心拍数の少ない動物が多い動物を見ると、速く動いてるように見える、と。
なので、人間よりも心拍数が少ない象や亀は、人間からは凄くゆっくり動いてるように見えるけど、象や亀からすると人間は鼠みたいに高速で動いてるように見える。

モルの心拍数は、1分あたり230~380回。
人間は1分あたり60~75回。
って事は、モルは人間の4~5倍の速さの中で生きてる。
人間から見るとモルの寿命はとても短いけど、モル的には、それなりに長い時間を体感しながら、一生を過ごしてる。

モル気質 

2012, 11. 16 (Fri) 00:57


モル作さんクラスのモルモットともなると、どんな事態に際してもこの通りです


モルが野生のテンジクネズミだった頃は、草地や森林、岩場等で犬みたいな縦社会を作って暮らしてた。
夜行性で、群れは基本的にはオスが1匹でメスが数匹。
同じ群れにオスが複数いると喧嘩して追い出す。
喧嘩になると耳や毛を逆立って、口を開けて威嚇し、後肢で立って構えてから、頭突きで勝負する。
メス同士は仲良く暮らせる模様。

人間と違って、オスの方が少し気が荒い。
と言っても他の哺乳類やげっ歯類と比べて、かなり穏やか。

仲間とは、鳴き声や歯を擦り合わせたチャッティングノイズという音で会話する。

嬉しい時や怒った時に、身体を捻って小さくジャンプする。
この変なジャンプは、ポップコーンジャンプって言われてる。

とても臆病で、よっぽど安心しない限りは、目を開けたまま眠る。
人や捕食動物に恐怖を感じても、反撃できずに固まる。
恐怖が極まるとショック死する事もある。

他の哺乳類と同様、好奇心もそれなりにある。
でも用心深くて、聞き慣れない音や匂い、高い場所に強い不安を感じる。
環境の変化にも弱くて、不安で固まって食欲が激減する。
こういう時は、食べても消化不良を起こしやすい。
モルの絶食やお腹の不調は、死に直結する。

群れで暮らす動物なので、寂しがりで、孤独だと不安になる。
1匹で飼う時は、こまめに餌を上げたりしながら安心感を与える必要がある。
鳴き声やチャッティングノイズで会話して不安を解消する動物なので、なるべくモルの声に反応して気分を読み取る努力が必要。
飼い主と疎通が取れるようになると、色んな声で感情を向けるようになって、生活リズムもある程度、飼い主と同調する。

モル体質 

2012, 11. 14 (Wed) 14:21


そろそろ台がキツくなってきたムチムチのモル作さん


★全身
ずんぐりむっくりで頭がでかい(約三頭身)。
人間と同じ位の太さの毛がほぼ全身に生えてて、身体を暖める。
毛は年に2回、春と秋に生え替わる。
暑くても汗をかいたり舌を出して体温を下げる事ができない。
体温は、おしっこをして下げる。
大人の体長は22~33cm、体重はオスが900~1200gで、メスは700~900g程度。

★目
プラスチックみたいで、顔の横っちょに付いてるので、視界が広い。
でも、耳が邪魔で後ろが見えない。
鼻の周りも見えない。
視力はかなり低いって言われてるけど、意外と見えてるって言う飼い主もいる。
色はほとんど識別できない。
ほとんどまばたきしない。

★耳
丸くて小さくて、ひらひらしてる。
毛も薄い。
聴覚はかなり発達してる。

★鼻
人間にとっての目の役割と同じ位に大事で、モルは主に鼻で物を識別する。

★髭
物を感知して距離を把握する。

★口
上唇は2つに割れてる。
噛む為の筋肉がとても発達してる。

★歯
前歯が上下それぞれ2本、奥歯は上下それぞれ8本ずつで、合計20本。
全部の歯が一生伸び続けて、繊維質の豊富な物を咀嚼して、歯を削りながら、噛み合わせを保ってる。

★お乳
おへその下のかなり低い所に付いてて、乳首は1セット。

★消化器系
単胃で、異壁が薄い。
食べた物を嘔吐できない。
小腸は125cmあって、十二指腸、空腸、回腸の境界がない。
盲腸が15~20cmで、プロトゾアという細菌で繊維質を発酵させて、盲腸便を作る。
モルは、この盲腸便を肛門から直接食べてビタミンB群やタンパク質を摂取する。
遺伝子に変異があって、L-グロノラクトンオキシターゼ(ブドウ糖をビタミンCに変換する酵素)を作れないので、自力でビタミンC(アスコルビン酸)を生成できない。

★あそこ
モルは、肛門とあそこの距離が短くて、オスメスの見分けが難しい。
メスのあそこはY字になってて、オスは円形で金玉が膨らんでる。
オスのちんちんは周りを押すと出てくる。
もちろん、ちゃんと勃起する。
あと、メスの子宮は分裂子宮になってる。
モルは、大量におしっこする(15~80ml)。
おしっこのphは約9(アルカリ性)。
おしっこをして体温を下げる。
超臭いけど、ペットシートで吸収しちゃえば大丈夫。

★お尻
尻尾が短くて、外見的には尻尾がないように見える。
お尻の周りに皮脂腺があって、地面に擦り付けてマーキングする。
肛門から普通のうんこと柔らかい盲腸便が出てきて、盲腸便は肛門から直接食べる。
盲腸便には、ビタミンB群やタンパク質が入ってる。
普通のうんこは、3~5g程度。
うんこは基本、全然臭くないけど、下痢すると超臭いみたいだから、うんこ臭かったらすぐに獣医に連れてく。

★足
身体の割に足が細くて短い。
前足より後足の方が長い。
指は、前足が4本、後足が3本で、爪は一生伸び続ける。
かなり華奢なので、段差のあるスノコで飼うと骨折する。
足の裏側は毛が生えてなくて、肉球もないので、衝撃が骨や筋肉に伝わりやすい。
皮膚ももろいので、床面が固いと足底潰瘍になる。
ハムスターと違って、前足で物を掴んだり、後足だけで歩いたりはできない。
ジャンプ力も全然なくて、地面から20~30cmしか跳べない。

★骨
骨格は意外としっかりしてるけど、犬猫みたいな肉食動物比べると大分もろいので、撫でたり抱き上げる時は慎重に、極力優しく扱う。

★その他のデータ
☆体温 ⇒37.2~39.5℃
☆血圧 ⇒80~94/55~58mmHg
☆心拍数 ⇒230~380/分
☆呼吸数 ⇒42~104/分
☆呼吸気量(分) ⇒140ml/分
☆呼吸気量(回) ⇒2.3~5.3ml/kg
☆血液量 ⇒69~75ml/kg
☆餌消費量 ⇒6g/100g/日
☆水消費量 ⇒10~40ml/100g/日
☆胃腸管通過時間 ⇒13~30時間
☆睡眠時間 ⇒6~8時間/日
☆繁殖開始(雄) ⇒600~700g(生後3~4ヶ月)
☆繁殖開始(雌) ⇒350~450g(生後2~3ヶ月)
☆発情周期 ⇒15~19日
☆発情期間 ⇒4~17時間
☆妊娠期間 ⇒60~80日
☆胎児数 ⇒1~6匹(平均3~4匹)
☆出生時の体重 ⇒60~110g
☆離乳時期 ⇒150~200g(生後14~28日)
☆ミルク組成 ⇒タンパク質8%、脂質4%、乳糖3%、水分83%、固形16%
☆染色体数 ⇒2n=64本
☆寿命 ⇒4~8年