後悔したくない 

2015, 07. 19 (Sun) 21:04

20代半ば~後半の頃に、とてもお世話になった一家の話。

その一家は、千葉の奥の方で暮らしてた。
おじさん、おばさん、娘さん、ビーグル犬の雄、三毛猫、息子猫3匹、娘猫1匹。

おじさんは、昔の都会的な不良のにーちゃん風の、痩せ型でちょっといかつい感じの人。
お洒落で喧嘩っ早かった。
おばさんは、所謂インテリな人で、やっぱり喧嘩っ早くて口達者だった。
娘さんは、広告デザインの仕事をしてたけど、病んで退職した。
みんなマイペースでユーモアがあって、ちょっと気が荒かった。
楽しい人達だった。

14年前、娘さんが睡眠薬150錠を一気飲みした。
前にも自殺未遂をした事があって、胃洗浄でぎりぎり助かった。
でも150錠飲んだ日は、発覚が遅れて、応急処置が間に合わなかった。
俺もお見舞いに行ったけど、娘さんは最後まで目を覚まさなかった。
亡くなった時、何とか時間を数日巻き戻す方法がないか、真剣に考えた。
ショック過ぎて血管が切れそうだった。

その後、俺や娘さんの友人達、元彼ズがお参りで何度かその家を尋ねた。
みんな娘さん経由の間接的な知り合いだったけど、この時期に何人か知り合いになった。
特に、Mという奴と、かなり仲良くなった。

Mは娘さんの短大時代の同級生で1番の親友で、俺はお見舞いした日に病院で知り合った。
Mは本当に変な奴だった。
異性なんだけど、お互いに爪先からてっぺんまで、喋り方から思考回路まで、異性としては何ひとつ惹かれず、でも笑いとか本とか漫画の好みがはまぁまぁ合う、みたいな感じで、人間関係、友人関係として、とても気楽だった。

娘さん関連の人があらかた訪ねなくなった後も、俺とMはよくその家に遊びに行った。
夕飯をご馳走になったり、ビーグルの散歩をしたり、娘さんの部屋にある漫画や本を読み漁ったりした。
おじさん、おばさん、俺、Mとで映画や温泉旅行に行ったり、地引網ツアーに行ったり、マウンテンバイクで山を走ったりもした。

ビーグルは、図体のでかい甘えっ子で、えらい可愛かった。
散歩をすると、その家の三毛猫もたまに着いて来た。

何年かして、ビーグルが老衰寸前みたいな状態になった。
後ろ脚が全く動かなくなったので、介護しに行った。
持ち直すかな、と期待したけど駄目だった。

一度、おばさんと電話で話してた時に、携帯の電波が不安定で、聴こえるとか聴こえないとか言ってるうちに、微妙に険悪な雰囲気になって電話が切れた。
それから、何となく気まずくなって、連絡をしなくなった。
俺は30歳前後の頃で、職種を変えたり結婚したり離婚したり引っ越したり転職したりで、何年も延々、バタバタしてたのもあって、完全に疎遠になった。

気づいたら何年も連絡を取らないまま。
Mとも1~2年置きに、2ちゃんの変なスレを教える程度のつながりになった。

最近、Mから連絡が来た。
て、お互いの近況を話した。

Mはもう結婚、出産してて、子供や旦那さんの話を聞いたりした。
立派な大人になったんだなぁ、って感慨深かった。

俺は楽な会社に転職した事、生き別れてた父親に再開した事を話した。
去年ピアノを始めたって事も話して、このブログを見せた。
Mも昔ピアノを習ってて、ブルクさんの運指に納得行かなくて辞めたらしい。
ブルクさんの練習曲の運指に納得するとかしないとかあるのか!?と驚いた。
子供だと手が小さいから、無理な形になったりするのかもね。
あと、ドビュッシーの子どもの領分が良い練習になるらしいよ!と言ってた。
あんな難いの弾けたらもう練習しないよ!と思った。

おじさんおばさんの話になった。
おじさんはここ何年か、ガンの治療や手術を繰り返してて、最近また再発した。
かなり末期的な状態らしい。
慌てて、おばさんに連絡して、非礼を詫びさせてもらった。
許してくれて、心底ほっとした。
先日、その家に行ってきた。

家に着いた時、おじさんは寝てた。
そっと近寄って見ると、歳は取ったけど、意外と元気そうに見えた。
おじさんはすぐに目を覚ました。
久しぶり、と声を掛けると、おう、もうメシ食ったか?と返って来た。

おじさんは今は退院してて、定期的に通院しながら抗ガン剤治療を受けてた。
食欲はあるのに、抗ガン剤の副作用で口内炎が酷くて、流動食しか食べられない。

娘さんに花と線香と上げてから、おじさんとテレビを見ながら、だらだら寛いだ。
おじさんおばさんはコーヒー、俺は冷やし中華を食べた。

おじさんの意識はしっかりしてて、昔と変わらない口調で、ひたすら雑談。
ぱっと見、悲壮感とかは見えない。
本当はエアコンの風が当たるだけでも身体が痛くなるらしい。
でも、痛いとか辛いとか言わない。
かといって、気丈でいようとしてるような無理矢理な素振りも見えず、リラックスした姿勢で、朴訥に穏やかに話す。
今も週3で、トラックセンターで人の管理の仕事をしてる。
これには本当にびっくりした。

猫達はみんな亡くなってた。
今は新しい雌猫が2匹。
ゴンとツン。
ゴンは、家に来た当初、あちこちに頭をゴンゴンぶつけてたから。
ツンは、忘れた。
ひとまず、ゴンは懐いた。

帰りに、家庭菜園で採れたジャガイモとインゲンを大量にもらった。
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