モル作さんを求めて ~ その壱 ~
2012, 12. 12 (Wed) 19:17

なかなか出番が来なくてご立腹なモル作さん
2012年6月22日の事でございます。
筆者のおっさん(以下、おっさん)は、現金を握り締めておりました。
♪ 今日こそは~
♪ 心に決めて~
♪ 部屋を出る~
♪ モルを飼おうぞ~
♪ 梅雨の来ぬ間にいぃぃ
我ながら風流な男よ、と百万ドルの笑みを浮かべたおっさんは、玄関のドアを勢い良く開けて、自宅から飛び出しました。
「お母さん、おっさんが物凄いスピードで走ってるよ!」
「だめだめ、見ちゃだめよ!!」
おっさんは近所の人気者です。
平日の昼間にすっぴん姿でゴミを出したり街を徘徊しているうちに、只者じゃないと噂になったのだろうと、おっさんは自身の人気の秘密を分析しました。
事実、その人気振りは凄まじく、時には職務中の警察官まで話し掛けて来る始末。
「あの…あなた、お仕事は?」
「ああああぁ、あの、会社員ですが…」
「会社員が平日のこんな時間にねぇ…」
「いいいいや、あああの、へ、へ、へへ、へへへ、へん、へん、変則的なきききんむ形態なもんですかかから…」
余りの人気者振りに恐縮してしまったおっさんは、思わず声が震えます。
「…どちらへお出掛けで?」
「ぃぃぃゃ、や、あの、モ、モル、モルモルモル、モモモモルモル」
「盛る!?何を?誰に?」
「ちちちが、ちが、、モル、モル、モルモット、実験の」
「モルモット?実験?あんた何する気?」
「ややや、じじじ実験しない。ペペペペペット…」
何とか警官を振り切ったおっさんは、気を取り直して、ペットショップ散策の旅に出ました。
ペットショップの散策にあたり、おっさんは、何ひとつ下調べをしていませんでした。
電車に乗れば何とかなるだろうと思っていたおっさんは、東急大井町線に乗り込みました。
既に汗を滾らせてハァハァ言ってるおっさんから、強烈な悪臭が車内に放たれます。
暫くすると、おっさんが乗ってる車両には、おっさん以外は誰ひとりいなくなってしまいました。
しかし、おっさんは自身の悪臭に気づかないばかりか、周囲の空気すら読めません。
差し当たりおっさんは、携帯で周辺のペットショップをググってみました。
J丘という駅の近くに幾つかある模様。
J丘駅に着いたおっさんは、1番近いペットショップに意気揚々と乗り込みました。
お店には、可愛いわんちゃんがたくさんいました。
仔犬ってほんと可愛いですね。
魅了されたおっさんは、ハァハァ言いながら、店内を駆けずり回りました
その姿を微笑ましく思ったのでしょう、店員が物凄い勢いで話し掛けてきました。
「あの…どういったご用件で…?」
「いゃぁ!わんちゃん可愛いっすね!!俺、ドキドキしちゃうなぁ、あはははは!」
「…あの…どういったご用件で…?」
「あ、あぁそうそう、俺、モルモット買いにきたんだった!…あれ、モルモルモルモッ…トは…?」
「…あの、うちはわんちゃん専門のお店ですので…見れば分かります通り」
そんなこんなで、何軒か回ったものの、モルモットを扱ってるペットショップに辿り着けないおっさん。
気づいたら、部屋を出てから数時間が経過し、夕方になってました。
「何という世知辛い世の中だ…飽食の現代で、人は豊かになった代わりに何か大事な物を見失ってしまったのだ」
本人自身が色んな物を見失っている事を棚に上げたおっさんは、今度はO町のペットショップに向かいました。
このペットショップは、駅からちょっと離れていて、10分くらい歩く必要がありました。
ここにはモルモットが売ってそうでしたが、歩くのが面倒臭くて後回しにしていたのです。
ようやくお店に辿り着いたおっさんは、ドアを勢い良く開けて叫びました。
「頼もう!!…ぐぎゃあああああ!!」
- つづく -
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コメント
Greatメカ沢
No title
もる作ぱぱさん
もる作さんの飼い主さん、男性だったんですね。
『勝手に』女性の方だとおもってました。
根拠は一切なし。思い込みです。ゴメンナサイ。
もる作パパさんともる作さんの劇的出会い!
続編を楽しみに待っています。
(ウチのちはやは養子にきました)
すきま風除けのカーテン(プチプチでできた)をつけてやり、
ちはやさんの冬支度は整いつつあります。